
日本の紙は、江戸時代末期から明治時代にかけて欧米各地の万国博覧会に出展されました。貴金属などの包み紙として、薄くやわらかい典具帖紙・吉野紙が好まれたほか、なめらかで筆写に適する薄葉紙・局紙や、皮革の代用品としての擬革紙など、種類の多様さと品質の高さが評価され、明治時代になってさかんに輸出されるようになりました。
壷屋紙(擬革紙)製刻み煙草入れ/平瀬製 |
透かし入り典具帖「鶴」/愛媛県/篠原朔太郎抄造/明治時代 |
和紙の生産は、明治30年代まで増加しますが、一方で、文明開化の歩みとともに、新聞や雑誌の発行量が増え、地券用紙や帳簿、包装用紙など、政府や民間のさまざまな用途で紙の需要が急増していました。手すきの和紙ではこれに対応しきれず、機械によって大量生産される洋紙へと需要が大きく変わっていきました。
和紙に活版・木版印刷を施した教科書 |
小学外国地誌 全/金港堂発行/明治34年(1901) |