
古代の人々は、木の皮や葉、土や石、金属、動物の皮、布など、それぞれの地域で手に入る素材に文字や絵を記してきました。しかし、いずれも保存が難しかったり、重くかさばるなど不便な点がありました。薄くて軽く、比較的安く量産でき、保存性がよく、加工がしやすい「紙」という素材があらわれると、しだいに書写材料は紙に代わっていきました。
ここでは、代表的な紙以前の書写材料をご紹介します。
パピルスパピルス「死者の書」/エジプト/パピルス研究所/1982年制作作品
紀元前3000年頃~/主にエジプト
パピルスの髄を薄くはぎ、シート状にしたもの
パーチメント(羊皮紙)パーチメントの楽譜/17世紀頃
紀元前2世紀頃~/中近東・ヨーロッパ地域
羊・山羊・子牛などの動物の皮
粘土板粘土板(複製品)/原資料:紀元前2600年頃、南メソポタミア
紀元前3000年頃~/古代メソポタミア・その周辺地域
粘土に楔形文字などを記し、天日干しにするか焼いたもの
甲骨(こうこつ)甲骨/中国河南省安陽県出土/紀元前1500年頃
紀元前1500年頃~/中国
動物の骨・亀の腹の甲など
木簡・竹簡木簡(複製)/原資料:中国甘粛省武威県出土、前漢時代前期(紀元前2世紀頃)
紀元前4世紀頃~/中国など
木や竹の板を何枚も紐で編んで束ねたもの
貝多羅(ばいたら)貝多羅経文
5世紀以前~/インド・タイなど東南アジアの一部の地域
ヤシの葉柄の部分を切り開いてシート状にしたもの
樹皮紙タパクロース/ハワイ
ポリネシア・南米など
樹皮を水に浸してやわらかくして叩きのばしたもの