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    イベント報告「浮世絵手摺り実演会」その2 摺師の技を目撃

    2013年11月07日 - 19:28

    今年の浮世絵手摺り実演会(10/14)では、摺師の沼辺伸吉先生に歌川広重画「東海道五拾三次之内 蒲原 夜の雪」の摺りの工程を見せていただきました。

    kokosurimasu.jpg保永堂版「東海道五拾三次之内」は広重の出世作で、名所絵師としての地位を確立した作品です。中でもこの「蒲原」は、夜の雪にひっそりと静まりかえる街道沿いの家並みの様子が描かれ、シリーズの中でも傑作の一つと言われます。

    今回は、8版14色仕上げ。何せ夜の雪景色ですので、派手さはないのですが、黒の「ぼかし」を重ねていくことで、とても深みが出てきます。
    沼辺先生と進行役とで、皆さんの質問を受けつつ、ポイントを説明しながら摺り進めていきます。中でも一番見学者が驚かれるのが、空などの表現によく使われる「ぼかし」の入れ方です。

    では、どのように摺られているのでしょうか?実は、ビックリするくらい単純な方法です。版面に濡らした布で水を引き、絵の具をのせ、ブラシでのばしていく、これだけです。本当に摺師の手加減一つで仕上がりが全く変わってしまうので、まさに腕が試されます。
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    きれいなぼかしが入っていく度に、皆さんから思わず「おお~」と歓声が漏れ、摺り上がった時には拍手が起こっていました。

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    実演の後には、希望者による摺りの体験も行いました。
    体験では、さすがに全ての工程は行えないので、輪郭線の主版(おもはん)を摺ります。ここでは、葛飾北斎画「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」という、浮世絵と言えばコレ!という程、大人気の作品に挑戦しました。

    taiken ironose.jpg

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    藍色で摺られた輪郭線だけですが、波の迫力ある仕上がりに、大満足!

    と同時に、見るとやるとでは大違い、いかに均一に美しく摺ることが難しいか、摺師の技のすばらしさを、皆さん体感されたようです。

    taiken kansei.jpg


    実演会を通して、ご参加いただいた皆さんには、それまでとは違った視点での浮世絵の楽しみ方をお伝えできたことと思います。

    来年度も実施する予定ですので、ぜひご参加くださいね!

    (H)

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