公式ブログ

「2011年4月」記事一覧

  • 企画展

    おもちゃ絵"立版古(たてばんこ)"にはまったのは誰?!

    2011年04月09日 - 17:18

    飛鳥山ではソメイヨシノが満開を迎えました。もうしばらくすると、今度はさまざまな里桜が咲き始めるのが楽しみです。

    さて、現在は企画展「おもちゃ絵の世界~見る・作る・遊ぶ・学ぶ~」を開催しています。この展示を行うにあたり、担当として「まずは自分が楽しんでみなくては!」ということで、判じ絵、着せ替え絵、変わり絵など、さまざまなおもちゃ絵で遊んでみました。今時のゲームと違って、どれも紙に印刷されただけのものですが、手と頭を働かせなければならず、シンプルなだけに自分なりの工夫を加えたりしながら楽しむことができました。中でも"立版古"は、展示準備そっちのけで没頭してしまいました。

    立版古は、今でいうペーパークラフトやプラモデルで、まずは紙を裏打ちして強くしてから、印刷された絵柄を切りぬき、貼り合わせ、立体に組み上げていきます。1枚で1作品が完成するものもありますが、歌舞伎の舞台を再現したものなどは大体3枚、4枚、場合によっては10枚以上にわたる大作もあります。紙面には各パーツが実に無駄なく配されていて、思わず感心してしまいます。

    細々としたパーツを切り抜くだけでも一手間ですが、いざこれを組み上げていこうとすると、思った以上に大変!なにせ、紙面の一部に本当にごく簡単な"出来上がり図"が記されているだけで、細部の配置や立体感はほとんど分からない上に、最低限の貼り合わせのマークと"上から吊す"のような指示がある位で、説明らしい説明はないのです。おまけに、パーツだけでは完成品にはならず、土台や支えなどは自分で工夫して作らないといけないのです。

    いくらおもちゃ絵が"子ども向けの実用の浮世絵版画"といっても、立版古の複雑なものなどは、とても子どもだけで作れたとは思えません。現在でもプラモデルにはまるのが実は大人であるように、立版古も大人が楽しんでいたのです。

    展示には、出来映えはともかく、苦心の末に組み上げた立版古も並んでいますので、ぜひ見に来てくださいね!

    110409.jpg

    110409-4.jpg

    「組上三枚つづき 頼朝公放生会の図」
    三枚を組み上げるとこんな作品に!
    (H)
  • 日々の出来事

    八重桜が見頃です!

    2011年04月17日 - 11:43

    110417.jpg

    飛鳥山では、今、色とりどりの八重桜(里桜ともいいます)が見頃を迎えています。

    JR王子駅から、紙の博物館に続く道は、実は八重桜のトンネルなんです。

    一言で八重桜と言っても、その種類や色はさまざま。

    薄ピンクの「福禄寿」。濃いピンクの「関山」。薄ミドリの「鬱金(ウコン)」。
    時間が経つにつれて、薄ミドリからピンクに色が変化していく「御衣黄(ギョイコウ)」という種類もあります。

    博物館の行き帰り、ぜひ彩りあふれる飛鳥山の八重桜を楽しんでくださいね!

    ちなみに、「飛鳥山3つの博物館」の学芸員が撮った桜の写真を、飛鳥山3つの博物館2011年桜開花情報ページにて随時公開しています。

    お出かけの参考にしてくださいね。

    (Y)
  • 企画展

    「立版古(たてばんこ)」製作のウラ話(1)

    2011年04月27日 - 11:22

    110427.jpg

    先日、「おもちゃ絵"立版古"にはまったのは誰?!」を書かせてもらいましたが、まさに立版古にはまってしまった一人として、今回はさらに製作の舞台裏を紹介します。

    ずっと興味はあっても、展示に利用するという口実(?)でもないと、なかなか収蔵資料の立版古を組み上げてみる機会は、今までありませんでした。しかし今回ようやく念願かない、私は「これぞ学芸員の特権!」と製作を堪能しました。もちろん、ホンモノの資料を切り刻む訳にはいかないので、複製を起こしての作業ですが、帰宅後や休日を利用して、10作品ほどを作ってみました。

    前回ご紹介した3枚一組の立版古などは、パーツが非常に多く、手が込んでいて作り甲斐があります。組み上がると結構な大きさになりますし、キチンと出来上がれば、かなり見栄えがします。(少なくとも、自己満足にはひたれます!)

    その一方で、意外に苦戦したのは1枚ものの、文明開化を象徴する乗り物などがモチーフの作品でした。

    自動車のような当時最新の、子どもたちの"あこがれ"だったと思われるものが描かれているのですが、出来上がり図は一方向から見た、かなりラフな図で、ものによってはそれすらないものもあります。当時は流行でも、今となっては目にする機会がない形だったりするので、立体にした時にどのような構造になっているのかを想像するのに苦労したり、山折り・谷折りが書かれていないので、「ホントにこれでいいの?」と迷うことがよくありました。
    また、のりしろが明らかに違う所についているくらいはいいのですが、どんなに考えても、あるパーツが組み上がらず、そもそもの絵が間違っていると判断するしかなくて、キチンと組み上がるように修正が必要なこともありました。

    つづく・・・

    (H)
  • 企画展

    「立版古(たてばんこ)」製作のウラ話(2)

    2011年04月29日 - 13:47

    110429-1.jpg

    「大ポンプの組上」の場合

    「大ポンプの組上」という資料は、明確な記述はありませんが、明治後期に活躍した馬引きの蒸気式消防ポンプが題材とみえます。それが分かったところで、いざ製作に取りかかると、さまざまな問題に直面です!

    そもそも、各パーツが何なのかよくわからない・・・煙突と蒸気ポンプの本体と思われるパーツは、貼り付けの指定位置が出来上がり図と違うけれど、無視して組立。

    110429-2.jpg

    両面合わせになるべき馬は、切り抜いて合わせてみると、かなりのズレっぷりです。T字型のパーツは、馬引きポンプの構造として重要な部分であると思われるのに、出来上がり図に全く出てこないので、どこに付けるべきなのか?

    組み上げられるところから、とにかく作ります。果たして、これらのパーツはどこにつければ・・・?


    110429-3.jpg

    馬引きポンプの古写真などを参考にしつつ、思案の末に完成したのが、こちらです!

    なんとか完成でしょうか!? 手綱は糸で作りました。

    立版古製作の秘訣は、ある程度のところ以上は、作り手の工夫と割り切りなのかもしれません。

    つづく・・・

    (H)

カテゴリ一覧

月別アーカイブ

ページトップ